仮面ライダードライブの痛チョコを作った話(番外編) 〜作り方まとめ〜

バレンタインのチョコレートに、キャラチョコや痛チョコを作ってみようと思う人は実は少なくないのではないか。仮面ライダードライブの痛チョコを作った話 シリーズでは私が一喜一憂しながらチョコを作った体験談を延々と書いたが、「痛チョコ」などの検索ワードで飛んで来る方は個人的な話など興味はなく、ただ作り方だけ知りたいはずだ。そこでこの記事で作り方やコツをまとめておいた。何かの参考になれば幸いである。

 

 

仮面ライダードライブキャラチョコの作り方】
(1個分、大きさ約12×15cm)
【材料・用意するもの】
・チョコレート(ダーク、ホワイト)…適量
・チョコペン(赤)…一本
---
・金属製のバット

・耐熱容器 色の数分(小さめのココットがオススメ)

・爪楊枝 数本
スプー
・クッキングシート
・ベースになるイラスト・写真の紙
(あると便利)
・小さな泡立て器
・セロテープ

 

  1. ベースになるイラストを反転して印刷する。輪郭や重要な線など、強調したい線をマジックペンでなぞっておく。
    【コツ】
    ・細かくてごちゃごちゃした部分も見えやすく強調したほうがベター

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  2. イラストの上にクッキングシートを重ね、バットの上に固定する。時間があれば冷蔵庫でバットを冷やしておく。
    【コツ】
    ・できるなら、ベースとなる絵はクッキングシートの裏に直接描くに越したことはない(見えやすさ上)
    ・クッキングシートはセロハンテープでは貼りにくいため注意
    ・チョコレートが乾いたときに浮かないよう、ピシッと貼ったほうが良い

  3. ブラックチョコレートを刻み(粗くて大丈夫)、耐熱容器(ココット)に入れ、電子レンジで1分ほど加熱して溶かす。 
    【コツ】
    ・30秒後に1度かるくかき混ぜると満遍なく溶ける 

  4. つまようじに溶かしたブラックチョコレートを付けつつ、下のイラストの線、黒い部分を慎重になぞっていく。必ずシートとチョコレートの線の間に隙間ができないようにすること。余計な線が書けてしまった場合、濡れティッシュやつまようじでこそげとる。
    【コツ】
    ・チョコレートに楊枝を浸けた際、糸が伸びることがあるが、その線を利用して長い線を一気に書くこともできる
    ・時間が経つにつれ溶かしたチョコレートが冷え、固まってくると書きにくくなるため適宜追加で30秒ほどレンジで加熱する
    ・細かい線を書く作業の前は、バットを一度冷蔵庫で冷やすとスムーズに進めやすい

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  5. 一色の描画が終わり、次の色で描き始める際は、にじみを防止するため間で必ず冷やしてから始める。また、チョコペンの色を使う場合は、チョコペンの口では大きすぎるため、中身を出してつまようじを使って描くこと。
    【コツ】
    複数の色が共存するゾーンは、細い線のある色から描くと良い。今回のドライブの場合、黒→赤→白の順で描いていった。
    ・チョコペンは固まりやすいため、描いている途中も容器を湯煎しておくこと。

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  6. 全体の着色←重要!
    大きい部分もできる限りつまようじで丁寧に埋めた方が境目や発色が綺麗に出る。上からチョコを流し塗る形で埋める際は、必ず冷凍庫で今まで描いた線を冷やしてから行うこと(塗るチョコの熱で線が溶けてしまうため)。また、その際は描いておいたチョコの線とシートの間に隙間がないか確認する。浮いて隙間があると流したチョコレートがその下に入り込んでしまい出来上がりがぼやける。隙間があった場合は線と同じ色で埋める。

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  7. 描画が終わったら、強度を高めるためホワイトチョコレートで大きめに輪郭を取ってダイカットにするか、枠組みを作る。さらに補強のためホワイトチョコレートを全体に重ねぬりする。
    【コツ】
    ・縁が薄いとそこから溶けたり欠けたりしやすいので縁にも一定の厚みを持たせるよう意識すること。

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  8. 冷蔵庫で一時間ほど冷やしたら完成。はしから慎重に剥がす。ぼやけている部分など修正を加えたい場合はここで(ただし半立体になる)。タッパーなど強度のある容器に入れて保存。
    【コツ】
    ・割れやすいため家人に取り扱いに注意するよう念押ししておく。

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【参考:痛チョコのラッピング(安全第一)】

用意するもの:箱(完成した痛チョコよりひとまわり大きいくらいのもの)、プチプチの緩衝材2枚(箱に入るサイズにカット)、紙ナプキン、保冷剤、セロハン袋

 

  1. 痛チョコをセロハン袋に入れ、テープで止める。
  2. 箱の一番下に平らな保冷剤を入れ、緩衝材を重ねる。
  3. 紙ナプキンで痛チョコを包み、その上に入れる。
  4. もう一枚の緩衝材をのせ、箱のふたをする。
  5. ふたをテープなどで固定したら、好みでリボンなどでデコレーションする。

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以上が痛チョコの作り方とコツ、ラッピング方法だ。痛チョコは作るのに時間はかかるが、料理というより工作のような作業が楽しめる。そしてなにより出来上がりにインパクトがあるため、料理好き・アニメ、漫画、特撮好きにはもちろん、何か面白いプレゼントをしたい方や、凝り性の方にぜひおすすめしたい。また、アニメなどではなくても、もちろんどんな画像を元にしても作れるため、ぜひ自分だけのチョコ工作を楽しんでほしい。

 


実際に作ってみた!奮闘記はこちらから読めます↓

仮面ライダードライブの痛チョコを作った話 (5)

 

仮面ライダードライブの痛チョコを作った話 〜最終話 贈呈〜

ドライブの痛チョコも、工程 ときて完成し、いよいよバレンタイン当日を迎えた。

 

さて、今回のバレンタイン、忘れてはならないのはテーマである。

私は「バレンタイン痛チョコ計画〜泣いてもいいんだよ大作戦〜」と銘打ち、プレゼントのインパクトで彼を驚かせ、嬉し泣きさせてみようと意気込んでいた。

つまり、彼が泣くか否かが、今回の成功・失敗を図る大きな指標になるわけだ。

 

なぜ純粋に、喜んでもらえた♡楽しかった♡ちょー幸せ♡だいすき♡=成功、という構図ではダメなのかという疑問が一週間経って記事を書いている今浮かんできたが、正直そんな発想がなかったの一言に尽きる。もはや私の中で彼を喜ばせることより驚かせて泣かせることが目標になっていた。

優しさや健気さ、可愛げなどそこには存在しない。

 

大体、幸せ♡だいすき♡とかいう個人的な感情のアピールを発信する人が純粋であるはずがあるだろうか?古典的な是非論争だが、私はそれを求めている人がどこにいるのかと聞きたい派である。

ただ自慢したかったり、自分の中で幸せだという確証が得られないから他人と比較することで満足を得ようとする行為なのではないか。

それとも直接お礼を言うだけでは飽き足らず、発信することによって不特定多数に対しても相手の愛情ぶかさを印象付け、株を上げる効果を狙っているのだろうか?それに成功したとしてもそんないい人と一緒にいる私勝ち組、人のことを褒められる私お育ちのいい子♡のような心理が垣間見えるような気がしてならない。

これはただ私の醜いルサンチマンだというのもまた確かだろう。しかしそんな気持ちになってしまう卑しく悲しい人間がいるこの世界に、個人的な愛のメッセージを発信するのもいかがなものか。

優しさや健気さ、可愛げなどそこには存在しない。

 

醜い論争はともあれ、お菓子を携えた私は当日、プライズに燃えて待ち合わせ場所に到着した。

正確に言えば、私はゆっくりと睡眠をとり、ゆっくりと身支度をし、お菓子を携え、人をコケにしたようなテーマを掲げて待ち合わせの一時間後に到着した。

優しさや健気さ、可愛げなどそこには存在しない。

 

 

愛、建前、本音、自尊心、自己愛、男性の勘違い、女性の傲慢…純文学にありがちな主題が水面下で渦巻くなか、最大のイベント・贈呈がやってきた。いよいよ作戦開始である。

プレゼントを手渡し、はじめに取り出してもらうのがお品書き。

  第0話に書いた通り、私はインパクト要因として痛チョコを作ったが、その他にトリュフ、マフィン、クッキー、ケーキポップも準備していた。さらに仮面ライダー1号とショッカーのチョコレートも購入済みだ。

このままではそれぞれのお菓子の説明も大変である。そこで私はお菓子の内容整理のため、このようなお品書きを作成し同封していた。

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お気づきだろうか?

ブリブリ溢れ出る優しさ、健気さ、可愛げのことではない。自己満女子力のことは百も承知である。

左ページ、ライダーチョコのところに、があることにだ。これが痛チョコのことを指しているのである。私はサプライズの茶目っ気にしては分かり易すぎる布石を打ってしまったことを一瞬後悔した。

 

お品書きを見てもらった後は、順当にトリュフ、マフィン、クッキー、ケーキポップを先に開封してもらうことにした。

 

ちなみにトリュフがこちら。8種類のものを作ってみたが、とても楽しかった。コツは成形したガナッシュをよく冷やすこと。冷凍庫がオススメだ。キンキンに冷やすことで、温かい溶けたチョコレートに浸けた時もガナッシュが溶け出さず、チョコレートが早く固まるため形が綺麗に作れる。ただ、早く固まる分トピングにもスピードが要求される。

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ガナッシュを溶けたチョコレートに浸し、てっぺんを下にした状態でくるくる回転させて全体にチョコレートをつけるとこんな渦巻きの模様ができる。この工程がとても楽しい。

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個人的には男子受けより女子受けしそうな見た目だと思うが、女子力高い彼女っぽさが出れば私の自尊心は満足するのだからこれでいいのである。バレンタインのチョコレートが100%男性のために作られていると思っている乙女系男子がいたらそれは幻想だということだけ、そっと囁きたい。声を大にして叫ばないのは、女性側のフェミニンな体裁を保つ上で、夢から覚めないでいられるほうが都合がいいからである。

 

さて、サプライズの用意はお品書きだけではない。せっかく作った痛チョコ、登場の仕方にも一工夫がないとつまらないだろう。

最後に開けてもらうことになった仮面ライダーチョコにはちょっとしたお話があった。というのもこれらのチョコレートは市販品だったわけだが、あろうことか彼の目の前で購入(笑)しており、しかも彼の自宅で保管してもらっていた(笑)ため、何が入っているかは両者織り込み済みだったのである。

だが私は彼を泣かせなければならない。そこでこの期待値の低さを存分に利用することにした。彼が自宅から持ってきた(笑)袋を預かり、彼が席を外したすきにライダーチョコの下に痛チョコを忍ばせておいたのである。これで都合よく手作りお菓子との隔離が成立するし、余計な袋を持たずに済むことでその袋何?なにかまだあるの?といった予感を与えずにいられる。

これでサプライズの準備は整った。少ないエネルギーでできることで最大限の効果を狙ってしまうのは私のさがである。ズボラ×サプライズライフハック

 

ありがたいことに彼にはベーシックメニューのお菓子たちから織り込み済みのライダーチョコにまでも驚きの言葉と賛辞をいただき、これもう痛チョコなくても泣いただろうなと思った。

しかしそこはどうしても開けてもらいたいところである。果たしてfinallyいよいよat last、彼が「なにかある!」といいながら袋の底から痛チョコ入りの白い箱を取り出した。

 OPEN!

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痛チョコは割れても溶けてもおらず、完全に無事な姿だった。さすがにプチプチの梱包材、紙ナプキン、保冷剤入りの完全防備のラッピングを施して行っただけある。前日に雑な運搬の仕方をしたことで買ったばかりのミラーレスデジタル一眼レフをぶっ壊していた私は運搬にかなりの恐怖を抱いていたため、ほっとした。

 

 

というわけで無事に製作・運搬・贈呈・感謝の4ステップをこなし、彼に喜んでもらえたところで、バレンタインは成功ということで幕を閉めさせていただきたい

バレンタインというのはやはり、愛のやりとりのイベントであって、泣かせたら成功、泣かなかったら失敗とか、そういうことではないだろう。綺麗にお菓子を作りたいとか、相手に喜んでもらいたいとか、そういう純粋な思いは女子の可愛さであって、バレンタインの醍醐味の一つと言っていいのではないだろうか。最後にいい話になってしまって、なんだか照れくさいし、申し訳ない。でも、喜んでもらえて、ちょーうれしかった♡みんなも素敵なバレンタインだったらいいなあ♡♡

 

 

 

 

 

 

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ッシャ!

 

かくして私の「バレンタイン痛チョコ計画〜泣いてもいいんだよ大作戦〜」は成功に終わったわけだが、「食べるのもったいないとかないタイプだから〜」などと言っていた彼が一週間経った今でも痛チョコを食べる気配がない。

それも納得、やはりあげたものが多すぎたようだ。

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 そろそろ何かしらダメになってしまう頃だと思うので、一人にこれほどの量をあげる必要はないと私も思う。けれども、なんでも喜んでくれるお優しい男性がいるからバレンタインはなくならないのではないだろうか。優しい男性ありがとう。

 

〜完〜

 

 

仮面ライダードライブの痛チョコを作った話の全話は ここから読めます。 
仮面ライダードライブの痛チョコを作った話 (5)

 

仮面ライダードライブの痛チョコを作った話〜第3話 挫折、完成〜

 

前回までに黒い部分をダークチョコレートで描き終わった私は、その出来に気を良くし、この痛チョコで彼を泣かせてみせるぜとまで意気込んでいた。

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つづくプロセスは着色である。

ドライブのマスクは主に赤・白・黒の三色で構成されている。 第0話でも触れたが、この色合いが食欲を損なわず作るのも難しくないという良さを持つ。実は細かく見ると水色も使われているが、忘れてしまったのでこの三色で着色することにした。

 

PM 20:00 3時間経過、着色開始

 

着色するにあたり、のこる赤と白の部分に使うのは赤いチョコペンダイソーで購入)と白いダースである。両方とも百円程度で購入できる。安い!

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私はチョコペンを使うのは初めてで、中身を器に出してからそれをレンジでチンしようと考えていたが、ペン自体を湯煎しないと中身が固いままだということに口をちぎって開けてしまってから気づいた。f:id:TheVertexP:20150222181856j:plain

そこでマグに水を入れてレンジでチンし、チョコペンを入浴させる。結構すぐに柔らかくなった。

中身をココットに絞り出し、書き始める。すぐに固まってしまうので、チョコペンの中身を出した後も湯せんが必要だった。f:id:TheVertexP:20150222181919j:plainすぐに固まるため、ボソボソになりやすい。様子見もかねて、細かい部分から書き始めることにした。f:id:TheVertexP:20150222181933j:plain

 

このチョコペンの赤の色は思ったより濃く、海老茶がかった赤だった。

固まりやすさについては、確かにぼそぼそにはなりやすいが、慣れればスピーディーに作業が進められて楽だった。

 

PM 20:45 3時間45分経過、赤位部分の着色終了

 

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全部書ききってまだチョコペンに中身が残っている程度だった。この程度なら一本で十分なようだ。

 

最後に残るのは白だ。

いま空白になっている部分全てが白で埋められる必要があるわけだが、この作業は今までの比にならぬほど細かい。場合によってはつまようじが空白に対して太すぎて、ダークチョコレートで書いた細い線を折ってしまいそうだ。

そこで私は塗りやすそうな広さのある部分だけつまようじで地道に白を置き、あとは上から流すことにした。

 ただ、ここにきて数年ぶりに偏頭痛に襲われたため、以降の作業は翌日にもちこすことに。

 

翌日

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PM12:00正午 白い部分(細)終了

 

目の部分を除いた残り9割の部分に、溶かしたホワイトチョコレートをつまようじで詰めた。この作業は約15分ほどだと思われる。

あとは上からホワイトチョコレートを流しかけるだけだ。

ここで心配なのは、作り始める前に幾つかの作り方で読んだ、「流しかける時溶けたチョコレートの熱で線が溶けることがあるから注意」という文言だ。

しかし午後にはアルバイトが控えているし、なにより早く完成させてしまって、痛ドライブくんの姿を見てみたい。

 

 

かけた。

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仮面ライダーのお顔に白い液体がべっとりかかっているのはなかなかお目にかかれない光景ではある。

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適宜スプーンで伸ばしつつ、かけ終わった。

とりあえずこれで着色は終了である。お疲れ様でした。

 

 だがこれだけでは強度上問題がある。羽の部分など特に折れそうなので、ダイカットにするためおおざっぱに輪郭の一回り大きく白チョコでかこむ。

f:id:TheVertexP:20150222184924j:plainそして埋める。

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 数々の細かい作業、彼からの謀反、偏頭痛を乗り越え、四時間半もの時間をかけてものすごく雑なハチミツ好きのクマさんを作ってしまったような錯覚に陥る図である。

 

PM  12:30 4時間半経過、ひとまず全工程終了

 

冷蔵庫に入れて冷やす。

 

PM 13:30 一時間の冷却終了。計5時間半経過

 

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ホワイトチョコレートの光沢がマットになり、触ってみても冷たくて硬い。固まっている。

 

早速剥がす作業に入る。

期待と緊張が高まる。

まず頭頂部をチェック。

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お!

浮いてる!

 

続いて側面もチェック。

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おおおお!!!

浮いてる!!!!!!

 

これならはがせる。慎重かつ一気に剥がす。

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おおおおおお!?

あれ?なんかピントボケてる?

あれ違う、もしかしてなんか起きてる?

 

そして剥がした状態がこちら。

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OH

・流しかけた方のホワイトチョコレートが、乾燥して浮いていたブラックチョコレートの下に入りこんではみ出してしまっている

・左目の線が一部溶けてよれている

ブラックチョコレートで描いた線がホワイトチョコレートでカバーされ、曇ったような出来に。

 

これでは満足できない。

 

私ははみ出した部分のチョコレートを熱やつまようじを利用しながら削り、また強調したい細かい部分をさらに上から盛るといった修正を重ねた。

痛チョコの作り方としては邪道だが、わたしの痛チョコイズムには初めからルールなど存在していないのだ。

 

結果修正を終えたのがこちら。

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けして綺麗ではなく、むしろ荒さが目立つ出来となったが、今回はこれでいいとした。なかなかの大きさなので、まあドライブだとわかりさえすればインパクトはあるのではないだろうか?ま、泣くだろ

 

PM 14:00 2日間、計6時間経過 ついに完成

 

 私は完成した痛ドライブくんをタッパーに入れて冷蔵庫にしまい、バイト先に向かった。

バレンタイン当日まであと6日。

 

   

次回、最終回!果たして「泣いてもいいんだよ大作戦」の結果やいかに…↓ 

仮面ライダードライブの痛チョコを作った話 〜最終話 贈呈〜 - 頂点Pと

 

 

仮面ライダードライブの痛チョコを作った話〜第2話 彼女の孤独〜

前回までは痛チョコを作ることに決めた 動機作り方の前半を書いてきた。まとめると、ライダーオタクで、痛チョコのプレゼントはかなりいい線いっているはずと読んでいたその彼が、そこまでドライブを好きではなかったという話だ。

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彼からのメッセージでドライブに対する思い入れの薄さを知った私は、もはや彼を喜ばせるという目的を半ば失っていた。しかしまだ輪郭すら完成されていない痛ドライブくんをここで投げ捨てるわけにはいかない。私は代わりに携帯を投げ捨て、孤独な作業に邁進することにした。

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残る左顎にとりかかること10分。

ついにドライブ痛チョコの輪郭が完成した。ここまでで開始から2時間半。

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しかしここでも気になることがあった。

痛ドライブくんの目である。

心なしか、大量の縦線が透けて見える…

 

この縦線を入れることでごちゃごちゃしてしまうのではないか?ここまでせっかくなんとかいい感じをキープしてきているのに、ここでぐちゃぐちゃにミスって台無しにしてしまうのではないか?

安定を取るか、挑戦するか。私の心の天秤は揺れた。

 

でもね、痛ドライブくん、私はインパクトを求めて君を作ることに決めたんだよ。

リスクを恐れ、難関を避けていてはハイクオリティは望めない。私の迷いは一瞬で消え去った。

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この縦線、ほぼ直線なのでチョコレート糸ビヨーン方式(特許出願中)を使えば案外怖くない。

横線と交わる部分が浮かないよう、綺麗なつまようじで適宜つつきながら作業を進める。

 

 

PM 19:30 開始から3時間経過。黒い部分完成

 

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いかがだろうか。なかなか細かい出来と言ってもいいのではないだろうか。

この辺りから私の心の中で、一度は失った想いがまた頭をもたげ始めた。

彼をインパクトで喜ばせることである。

しかもこの細かさに気を良くして、私の計画はいつしかスケールアップしていた。

その名も、

バレンタイン痛チョコ計画〜泣いてもいいんだよ大作戦〜

その名の通り、痛チョコをプレゼントすることで彼を泣かせてみせようじゃないかという作戦である。

この調子ならいける。私はモチベーションを回復し、必ずや痛ドライブくんをカッコよく仕上げ、彼を嬉し泣きさせてみせると心に誓った。

 

残る難関は着色、今までとは違うステージに入る。ギアが、入ったみたい!(霧子談)

 

次回、着色・痛ドライブくん完成!!ハプニングも? 作り方最終回は次の記事へ↓

 


仮面ライダードライブの痛チョコを作った話〜第3話 完成、挫折、コツ〜 - 頂点Pと

 

 

仮面ライダードライブの痛チョコを作った話〜第1話 彼女の奮闘〜

さて、私が痛チョコを作ることに決めた成り行きは前回の記事を参照していただくとして、今回は(やっと)作り方に入ろうと思う。

 

作り方とは言っても、私自身初めて作ったので、この記事は試行錯誤の体験記という性格が強いことをはじめに断っておきたい。
反省を生かしたよりスマートな作り方のまとめについては後の記事を参照してほしい。

 

仮面ライダードライブ痛チョコの作り方
(大きさ約12×15cm)
【材料・用意するもの】
・チョコレート(ダーク、ホワイト)…適量
・チョコペン(赤)…一本
---
・金属製のバット
・爪楊枝 数本
スプー
・クッキングシート
・ベースになるイラスト・写真の紙
(あると便利)
・小さな泡立て器
・セロテープ

 

【作り方】

PM17:00 作業開始

 

①ベースになるイラストを反転して(できた痛チョコはした面が表になるため)プリントアウトし、しっかりした線(輪郭や境目など)を油性ペンでなぞる。

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②元になるイラストの紙とクッキングシートを重ねてバットの上に貼り、固定する。
(クッキングシートはセロテープで貼りにくいという罠があります。当然でしたね。)
なるべくバットとシートの間が空かないよう、ピンと張ったほうがよい。

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③ ダークチョコレートを刻み、チンして溶かしたものとつまようじを使って輪郭や黒い部分を書いていく。

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ここで私は一種画期的なやり方を思いついた。

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つまようじをチョコレートにつけると、持ち上げた時びよーんと糸を引く。その糸を利用して線になぞらせることで、長い距離が一気に書けるというものである。

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こういうことである。

しかしやはりたまにはこんなミスもある。

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ンンンンンンンン!!!

これは削りとるか拭きとるかして事なきを得た。

 

 

ちゃくちゃくと書いていくと、線がなんだかボコボコしていることに気づく。

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このチョコレートのツノ、なんだか3D感に心惹かれるものがあり、勢いづいた私はもっともっととツノを作りまくった。

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ヒャヒャヒャヒャ!!!楽しい!!!!!

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だが、ツノを大量に作った結果、その後に線を塗り重ねる際に下までチョコレートが届かないという事態を招いたためお勧めしない。

 

 

PM 18:30 1時間半経過

 

さて、順調に細かい作業を積み重ねること1時間半。なんとかドライブの額に陣取る登録商標マークは乗りこえた。

 

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しかしまだ輪郭さえ終わっていない。ここで問題が生まれた。

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顎のごちゃごちゃ全然見えねえ!!!!!!!!!!

そもそもドライブの顎がごちゃごちゃしている必要性はどこにあるのだろうか?ドライブの技はほとんどシフトカーまたは愛車トライドロンまかせである。本体の顎のごちゃごちゃ度は関係ない。

しかしこの顎には、実は重要な意味があることくらい私にもわかっていた。

車らしさ、メカらしさを出すことだ。

インパクトを求めて作り始めた以上、細部のディテールは無視できない。

…やるしかない。

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仕方なく固定していたセロハンテープを剥がし、チラチラ確認しながら進めることに。だがこのやり方、すでに書いた分のチョコレートがはがれたり折れたりずれたりといったリスクが高い、危険なやりかたなのでお勧めしない。

 

 

PM 19:00 2時間経過、運命のメッセージ

 

顎に奮闘すること30分。なんとか右半分を書いたところで、なんとこのチョコレートを手にするであろう人物、しまじろうからメッセージが届いた。もちろん彼は私がドライブの痛チョコを作っていることは知らない。

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動画である。

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どうやら出かけていた先のホームセンターにドライブの玩具グッズ特集があったため、それをわざわざ動画に撮り送ってきてくださったらしい。

私たちはしばしば仮面ライダーのことを話題にするものの、私自身はドライブ好きとは一言も言っていない。自分が好きなものを送り付けちゃう、これぞ男子。

 

しかし私は、まさに彼女がドライブの痛チョコを作っているときに関連するメッセージを送ってくるとはやつもなかなかやるではないか、このメッセージのおかげで私のデキる彼女感が大幅アップするぞ!とホクホクしながら満を持して返信した。

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余裕を醸しながら返信を待つ。動画を送り付けてしまうほどならば、仮面ライダーと名のつくものには抗えまい。

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・・・マジかよ!!

そこは大好きっていえよ!

このタイミングだぞ!!!

この流れでだぞ!!!

毎週見ろよ!!!!!!

 

 

…オタクの中の基準というものはわからないものだ。

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彼は今一度私の中でダメ男の烙印を押され、私は作業を続けた。

 

私がデキないわけじゃない、彼がダメ男なんだ!!孤独な作業は第2話へつづく!!!


仮面ライダードライブの痛チョコを作った話〜第2話 彼女の孤独〜 - 頂点Pと

 

 

仮面ライダードライブの痛チョコを作った話 〜第0話 きっかけ〜

今年もバレンタインデーが過ぎた。
バレンタインデーといえばチョコレート。元々はどこかが宣伝のために始めたキャンペーンだったという話は聞いたことがあるが、「チョコをあげる」「もらう」このイベントはすっかり日本に定着している。

 

幸いにも私は世間的に「あげる」側に割り振られているため、もらえるかもらえないかといった苦々しさ(ドキドキという発想がなかった)とは無縁だ。また、「あの人に喜んでもらえるかな…!」なんていう傍迷惑な期待に膨らむ勘違い(でも自分がもらうのは嬉しい。ただしそれだけである)とも無縁だ。

ただ、カレピに何あげようかな❤️てへぺろぺろ と考えるだけでいい。

 

だが、何を作るか。

これは決して小さな問題ではない。

 

チョコといってもチョコ菓子の幅の広さを考えてみてほしい。定番のトリュフ・ブラウニーなんかに始まり、マカロン、クッキー、ドーナツ…バリエーションはまさに多岐にわたる。

そんな中、高校時代の約50人分にものぼる友チョコ大量生産という義務から解放された私は、それに比べれば一人に向けて作るだけなんて簡単だろうと考え、いくつかの種類のお菓子を作ることに決めた。

 

・トリュフ

・クッキー

・マフィン

・ケーキポップ

 

できあがった計画がこのありきたりなお菓子オンパレードである。(ブラウニーは私がくるみをあまり好きでないので外した)

 

この段階で、まあこれだけあれば十分だろという至極常識的な思考と、なにかインパクトに欠ける、お前のポテンシャルはまだあるはずだと囁く過剰な自意識とが自分の中で渦巻いていた。

 

 クオリティが高ければどんなものでもある程度のインパクトはあるだろう。しかし、それは作者への感心だとか賞賛であって、貪欲な私はまだクオリティの高いものを作れるかということも定かではないのに、それでは満足できずチョコレートそのモノにインパクトを求めていた。

 

インパクトのあるチョコレートとは何だ?

開けた瞬間びっくりするようなギフトとは?

 

ブレインストーミングのよくある手法に、全く違うものを思い浮かべてその2つをつなぎ合わせると斬新なアイデアが出せるというものがある。

それにのっとれば、普通に考えてお菓子やチョコレートと無縁のモチーフを、お菓子にすればいいのではないか。

 

そこで私の中では当然の帰結が出た。

彼は仮面ライダーオタクである。

それならばチョコレートと無縁の仮面ライダーに、チョコレートと絡んでいただかざるを得まい。

どうやってか?

俗にいう痛チョコの出番である。

 

痛チョコとは。

主に漫画やアニメなどのキャラクターを描いたチョコレートを指す。痛車キャラ弁とは親戚関係にあると言えるだろう。

 

幸いなことに現在放映中の仮面ライダードライブは赤と黒と白という、食品に置き換えても不味そうではない色味である。これがガイムだったら、オレンジはまだしも甲冑の紺色の部分が食欲を削ぐ可能性があった。

さらに、材料がチョコレートだけであるから、トリュフやマフィンなどよりも日持ちがし、前から作っておくことができるため、スケジュール的に無理なく品数を増やすことができるだろう。

ガイムが俺に早く作れと囁いている。

 

以上の成り行きで私は仮面ライダードライブの痛チョコを作ることに決めた。ブレインストーミングなんていうビジネスライクなワードまで持ち出して膨らましたが、実際のところは「あっそーだ痛チョコつくってみよーぺろぺろりんこ」的なノリだった。物は言いようである。 

肝心の行程、興奮の痛チョコ体験記は次の記事から紹介したいと思う。乞うご期待!


仮面ライダードライブの痛チョコを作った話〜第1話 彼女の奮闘〜 - 頂点Pと

↑体験記はここからスタート!

 
↓まとめた作り方はこちらを参照!

仮面ライダードライブの痛チョコを作った話(番外編) 〜作り方まとめ〜 - 頂点Pと